共謀罪法案の国会審議始まる

 安倍政権が今国会で成立を狙う「共謀罪」法案の審議が衆院法務委員会で先週始まりました。首相は「一般の人は関係しない」と繰り返しますが、質疑では、一般人も捜査対象になること、市民の日常も監視されるおそれがあることを政府側も認めるなど、法案の歯止めのなさが浮き彫りになっています。

 委員会の運営では、自民・公明の与党が、野党の意向を無視して、法務省官僚の出席を一方的に議決するなど極めて異常なすすめ方をしています。思想・信条を侵害する重大な法案を、数の力で押し通そうというのか―。こんな暴走は認められません。

 「共謀罪」法案(組織犯罪処罰法改定案)は、警察が、犯罪を「計画」「準備」していると みなせば、犯罪が起きてもいない段階から国民を捜査対象にして、取り締まることができるというものです。

 安倍政権は「テロ対策のために必要」などと主張します。しかし、法案が対象とする犯罪数277には、著作権法違反や森林法違反など、「テロ」と関係あるとは到底思えないものも多く、対象犯罪の選別自体が恣意的と批判が上がっています。

 かつては700近い犯罪を対象にしていたのに、それを絞り込んだ根拠も政府はまともに説明できません。

 委員会審議では、警察による一般市民の監視が、「共謀罪」で強化される危険がますます明らかになってきました。日本共産党の藤野衆院議員は、中部電力の子会社が計画する風力発電所建設 に反対する市民らを岐阜県警大垣署が監視し、反対運動に直接かかわっていない市民の学歴、病歴、思想などの個人情報まで詳細に調査していた問題を追及しました。

 警察庁は、個人情報保護法の趣旨に反する大垣署の違法な調査を、「通常業務の一環」と正当化し続けています。「共謀罪」法案は、警察が「組織的犯罪集団」と認定すれば、どのような団体でも捜査の対象にできる仕組みです。警察の判断次第で、早い段階からの捜査開始も可能にします。

 「共謀罪」法ができれば、市民監視に反省のない警察の違法捜査がさらに前倒しされ、国民生活の隅々に広がってしまうおそれは格段に高まります。法務省も、「準備行為」の前の段階から「任意捜査」ができると認 めました。

 「準備行為」とは、ATMで現金を下ろすなどの日常的な行為です。外見では「犯罪」を意図しているのかどうか分からないため、「意図」の捜査は避けられません。

 それは、「内心」を取り締まりの対象にするという法案の危険な本質を示すものです。いくら安倍首相が、一般人は関係ないと言い張っても、ごまかすことはできません。

 国会の前例を無視して、野党が要求していない政府参考人(法務省刑事局長)の委員会出席について、与党が議決強行を繰り返したのは、金田法相がまともな答弁ができないためです。

 所管大臣が国会で十分な受け答えができないことは、大臣の資質が問われると同時に、「共謀罪 」法案自体の矛盾と破綻を示しています。

 安倍政権と与党による強権的な法案審議を許さず、国民の思想や内心を処罰の対象にする違憲の「共謀罪」法案を徹底審議で廃案に追い込むことが必要です。

対北朝鮮。戦争につながる軍事力行使止め外交的対応を

 米国のトランプ政権が北朝鮮の核・ミサイル開発への対応として「全ての選択肢がテーブルの上にある」として軍事力行使も選択肢にすると表明していることについて、安倍首相らが繰り返し「評価」すると述べ、歓迎の姿勢を示しています。

 トランプ政権が北朝鮮への軍事力行使を示唆して威嚇を強めれば、北朝鮮はさらなる挑発行為に出て東アジアの軍事的緊張は激しくなるばかりです。

 安倍政権が米国の軍事的選択肢を容認することは、東アジアの平和のためにも、武力による威嚇と武力の行使を禁じた憲法9条を持つ国としても決して許されません。

 核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮への対応で、首相はペンス米 副大統領との会談でも「(米国が)全ての選択肢がテーブルの上にあるとの考え方で対処しようとしていることを日本は評価する」と述べました。ペンス氏は「平和は力によってのみ初めて達成される」とし、武力行使も排除しない姿勢を強調しています。

 首相は北朝鮮への先制攻撃についても「米国にやめろと言うことではない」と反対しません。米国が北朝鮮に対して先制攻撃をすれば、どんな事態になるのか。米国内でも、北朝鮮は韓国に侵攻し、「その戦争は朝鮮戦争以来、見たこともない激しさになる」「極めて破壊的な戦争だ」との指摘が上がっています。

 北朝鮮への先制攻撃は1994年、クリントン米政権下で一歩手前までいったことがあります。クリント ン政権はこの時、朝鮮半島で戦争が起これば、▽最初の90日間で米軍5万2千人、韓国軍49万人の死傷者が発生▽ベトナム戦争などの経験に基づけば米国人8万人〜10万人を含め100万人が死亡―などという予測をしていました。

 当時の金韓国大統領は、クリントン大統領との電話で、米軍が戦争を始めても韓国軍は一人たりとも動かさないと猛烈に反対したことを後に明らかにしています。

 トランプ政権が北朝鮮への先制的な軍事力行使に出れば、韓国や日本を巻き込んで深刻な武力紛争に発展し、おびただしい犠牲者が出るのは避けられません。

 元内閣官房副長官補の柳沢氏は「(米朝で)軍事衝突が起きれば、戦争に巻き込まれるのは米軍 基地を抱える日本や韓国」であり、「安易に米国の武力重視姿勢を支持するのは日本の安全にとって有害」と指摘しています。

 韓国で現在行われている大統領選挙で主要5党の候補者全員が「米大統領に電話して先制攻撃を中止させる」(最大野党「共に民主党」の文在寅氏)などと先制攻撃反対を表明しているのに対し安倍首相の姿勢は極めて異常です。

 トランプ政権は国際社会と協調して経済制裁を厳格に実施・強化しながら、北朝鮮との外交交渉に踏み切って非核化を迫るべきです。

 安倍政権は、軍事力行使を選択肢にすることを「評価」する姿勢を改め、外交交渉で北朝鮮の核・ミサイル開発を放棄させる選択肢を取るようトランプ政権に強く 働きかけることこそ求められます。

日米経済対話でさらにアメリカ追従に

 安倍首相がアメリカのトランプ大統領に設置を約束した「日米経済対話」の第1回会合が開かれ、2国間交渉で自国の「利益第一」を目指すトランプ政権の姿勢が浮き彫りになりました。

 麻生副総理とペンス米副大統領との立ち上げの会合では、具体的な課題にまでは踏み込まなかったようですが、トランプ政権は牛肉、コメ、自動車などの輸出拡大を狙っており、ずるずると交渉を続けるのは危険です。アメリカの「利益第一」を許さず、対等・平等の日米経済関係をこそ確立すべきです。

 ペンス副大統領は麻生副総理との会合の後の記者会見で、トランプ政権が一方的に離脱した環太平洋連携協定(TPP)について「過去のものだ」と改めて 否定するとともに、2国間交渉の目標は「貿易障壁を打破し、米企業が高水準の市場アクセスを持つことだ」と、アメリカの「利益第一」の立場を強調しました。

 麻生氏は「日米主導でアジア・太平洋地域の貿易・投資ルールをつくる」と、多国間の枠組みづくりを主張しましたが、「2国間交渉が米国にとっても相手国にとっても利益だ」という主張にはね返されています。

 もともと日米経済対話は、安倍政権が「安全保障と経済は日米同盟の両輪」(麻生氏の会見での発言)という日米同盟最優先の立場で、TPPを拒否したトランプ政権の経済要求に応え続けるために持ち出したものです。

 今回のペンス氏の来日でも、安倍政権は北朝鮮の核・ミ サイル問題などでアメリカに付き従う姿勢を示しており、経済問題でも大幅譲歩する危険はいっそう強まっています。

 ペンス・麻生両氏の立ち上げの会合でも確認されたように、日米経済対話は、「貿易及び投資のルール、課題に関する共通戦略」「経済及び構造政策分野における協力」「分野別協力」を柱に、日米間の広範な経済問題を協議することになっています。

 かつて日米間には「日米構造協議」や「日米経済調和対話」などが繰り返され、日本とアメリカの大企業に都合がよい「規制緩和」や公共投資の大幅拡大などが強行されてきました。今回の日米経済対話も、アメリカのトランプ政権の「利益第一」の要求に応える、内政干渉の仕組みになる危険は濃厚です 。

 トランプ政権は貿易の面で、日本の大幅黒字を問題にしており、アメリカ国内では、牛肉やコメなどアメリカの競争力が強い農産物や自動車など工業製品の日本への輸出を増やすべきだという声が高まっています。

 日米経済対話でこうしたトランプ政権の要求に安倍政権が応えることになれば、日本は農業だけでなく輸出産業や国民生活にとっても致命的な打撃になるのは免れません。

 安倍政権が安全保障(軍事)や経済でも日米同盟最優先、アメリカいいなりの姿勢を繰り返しているだけでなく、国民の強い反対の中で昨年強行したTPP協定に固執し、関税など貿易障壁でTPPを「下回らない」ことを前提に貿易交渉を進めようとしていること は重大です。TPP自体、多国籍企業の利益最優先で、暮らしも日本経済も破壊するものです。

 TPP交渉の誤りを認め、対等・互恵の経済関係を切り開く立場で、アメリカいいなりでない自主的経済関係の確立こそ重要です。

日本とインドの原子力協定で新たな核拡散の危険

 安倍首相が昨年11月にインドと合意した「日印原子力協定」をめぐる国会審議が始まっています。「成長戦略」だと称して各国に原発を輸出しようという安倍政権の政策が背景ですが、インドは核不拡散条約(NPT)などにも加わっていない核兵器保有国です。

 日本が輸出した原発や核物質が核兵器の開発に使われないという保証はありません。核兵器の禁止が国際的な世論となり、北朝鮮の核開発なども大きな焦点となる中、核兵器をさらに拡散しかねない原発などの輸出は、原爆投下や原発事故を経験した国として直ちにやめるべきです。

 安倍政権は経済政策「アベノミクス」の一環の「成長戦略」だとして、トルコなど各国と相次い で原子力協定を結び、原発などの輸出を目指してきました。

 日本国内では東京電力福島第1原発事故さえ収束しておらず、国際的にも原発の安全性や経済性についての見直しが進んでいるのに、原発輸出の拡大は許されないと批判されるのは当然です。

 アメリカのウェスチングハウス(WH)と手を組んでインドなどへの原発輸出を拡大しようとした東芝も、海外での原発開発がうまくいかず、経営が不安定になり、WHとの提携から撤退するありさまです。

 何より日本は第2次世界大戦の末期にアメリカによる原爆投下で大きな被害を受けた世界で唯一の戦争被爆国であり、その後のビキニ環礁での水爆実験などでも被害を受けました。
 インドは核兵器の新たな保有を認めないNPTや包括的な核実験を禁止する条約(CTBT)に加盟しておらず、1970年代から核実験を繰り返し、現在でも100発を超す核兵器を保有しているとみられます。

 インドとの協定には核実験の歯止めさえ明記されておらず、NPTに参加しない核兵器保有国との協定締結は核兵器開発を追認し、被爆国である日本の核廃絶を目指すべき立場を損なうことにもなります。

 日印原子力協定が発効すれば、日本の原発メーカーがインドに原発などを輸出するのを可能にするだけでなく、インドに低濃縮ウランの製造や使用済み核燃料の再処理を認めることにもなっています。

 濃縮ウランや核 燃料を再処理して取り出すプルトニウムなどの核物質は核爆弾の材料となる物質なのに、軍事転用の規制は曖昧です。

 インドはいま核兵器の開発を「一時停止」(モラトリアム)しているといいますが、もしインドが核兵器の開発を再開しても日本は核物質の「在庫」などをチェックできず、輸出した施設や核物質を回収することもできません。

 日本が輸出した原発や核物質がインドの核兵器開発を加速する恐れは軽視できません。

 いま世界では核兵器禁止条約を作ろうという国連の会議が前進し、核兵器廃絶の国際世論が大きく高まり、それに逆行した北朝鮮の核兵器開発の策動などが国際的批判を集めています。

 唯一の戦 争被爆国である日本の安倍政権が核兵器禁止条約の国連会議に背を向けたうえ、インドの核開発に手を貸す事態にでもなれば、国際的批判は免れません。

 国際世論に応えるためにも日印原子力協定は廃案にし、「原発ゼロ」の日本をこそ目指すべきです。

森友学園疑惑発覚から2ヶ月

 大阪の学校法人「森友学園」が小学校の開設を名目に、国(財務省)から格安で国有地を手に入れ、大阪府の異例な「認可相当」の決定と合わせて政治家などの関与が疑われている疑惑は、解明が尽くされないまま、問題発覚から2カ月たちました。

 当面の焦点になっている安倍首相の妻、昭恵氏の証人喚問は、自民、公明の反対などで実現していません。「森友」の前理事長、籠池氏の証人喚問でも疑惑が指摘されたのに、昭恵氏に説明を求めないのは道理がありません。

 昭恵氏、格安で払い下げた財務省、認可に動いた大阪府の責任は曖昧にできません。

 4月に予定された小学校の開設は延期になり、「森友」の理事長は 籠池氏から長女に交代したりしていますが、「森友」がどのようにして国(財務省・近畿財務局)から、破格の価格で国有地を手に入れたのか、小学校を経営した経験がなく財務にも問題があった「森友」がどのようにして府から認可を取り付けようとしたのかなど疑惑の核心は解明されないままです。

 「森友」側が工事費を偽って国(国土交通省)や府から補助金や助成金を受け取っていたことも明らかになっており、一連の疑惑は広がる一方です。

 先週末には「森友」が当初は借地していた小学校の建設予定地の汚染除去費用1億3000万円のうち工事業者には約2000万円値引きさせたのに、国には計画通り1億3000万円請求して、支払いを受けていたなど新 たな疑惑も明らかになっています。

 不動産鑑定で約10億円の国有地が、途中から「借地」から「売却」に切り替えられ、そのとたん約8億円も値引きされ10年間の分割払いになったという異常な取引が、政治家の介入抜きに行われたとは考えられません。

 先月の衆参予算委員会での籠池氏への証人喚問などでは、開設予定の小学校で「名誉校長」を務め、安倍首相とともに「森友」の幼稚園教育を賛美し、「安倍晋三から」と100万円寄付したとまでいわれる昭恵氏が、籠池氏からの依頼の後、昭恵氏付きの政府職員を通じて財務省に問い合わせをさせた疑いがあり、土地改良費用の支払いや土地の売却に関与していたとも疑わせる手紙やファクスの存在が明らかにな りました。

 安倍首相や昭恵氏は、あくまでも政府職員が「個人的」にやったことで、自らは無関係なように言いますが、もともと政府職員が「首相夫人付」でなければ起こりえなかったことであり、財務省の対応にも昭恵氏への「忖度(そんたく)」があったといわれるのは当然です。

 昭恵氏や関係した財務省職員などを国会に喚問し、真相を徹底的に究明するのは不可欠です。

 大阪府の調査では、本来「借地」には開設できない「森友」の小学校への異例な「認可相当」決定の背景にも、財務省・近畿財務局の執拗(しつよう)な働きかけがあったと指摘されています。財務省はなぜそこまでしたのか、大阪府の対応はどうだったのか―解明が必要で す。

 「森友」疑惑は、会計検査院の調査や市民の告発を受けた大阪地検特捜部の捜査も始まる見込みですが、疑惑がある以上、国会での解明が欠かせません。とりわけ首相夫妻がかかわる疑惑の究明は、政治の最優先課題の一つです。

介護・地域包括ケア改悪案

 自民・公明の与党が衆院厚生労働委員会で、安倍内閣提出の「地域包括ケアシステム強化のための介護保険法改定案」の採決を強行しました。

 同法案は、一定所得以上の人の利用料を3割負担にする介護保険改悪にとどまらず、「地域共生社会の実現」の名で、高齢者、障害者、障害児などの施策に対する国・自治体の公的責任を大幅に後退させかねない仕組みづくりも盛り込んだ重大なものです。

 一括して改定する法案数は約30にのぼります。地域の社会保障の将来に影響を与え、暮らしに深くかかわる法案を、数の力で押し通すことは許されません。

 改悪法案は(1)利用料3割負担を介護保険に初導入するなどの制度改悪( 2)「自立支援・重度化防止」などをうたった「地域包括ケアシステムの深化・推進」―が柱です。

 3割負担は、一昨年8月から2割負担に引き上げられた約45万人のうち、年金収入等340万円以上(単身者の場合)などの人(約12万人)が来年8月から対象になります。

 「2割」などによって負担に耐えられず特別養護老人ホームを退所したケースもうまれているのに、その実態をまともに把握せず、負担増ばかり迫る安倍政権のやり方に医療・介護の関係者、家族らが怒りを広げています。

 全市町村が介護の「自立支援・重度化防止」に取り組むことの「制度化」も大きな問題をはらんでいます。“介護費用を抑制”した地方自治体にたいする 国の財政支援を手厚くするというものです。

 いまでも介護保険から利用者を無理に「卒業」させたり、介護認定を厳格化し「門前払い」したりしている一部自治体のやり方に批判・懸念が寄せられています。この手法をモデルにするかのような法案は、必要な介護から利用者を締め出す事態を続発させかねません。

 「地域共生社会」の名目で高齢者、障害者などへの施策をひとまとめにする「『我が事・丸ごと』地域づくり・体制の整備」は危ういものです。法案では、“福祉サービスを必要とする人たちが孤立しないよう、地域住民が支援する”ことを求める条文を社会福祉法に新設するなどとしています。

 これが公的な社会保障費の削減路線と結び つき、国や自治体が地域福祉から手を引き、地域住民の「自助・互助」に役割を押し付けることにつながるとの警告が障害者団体などから相次いでいます。

 塩崎厚労相は「我が事・丸ごと」施策について「新しい福祉の哲学の転換」と位置づけ、“地域の助け合い”は「日本の原風景」に戻すものとも表明しています。

 高齢者、障害者などの施策を自主努力や助け合いに“丸投げ”することは、いまでも弱まっている地域の社会保障の仕組みをさらに不安定にする危険な方向です。

 高齢者と障害者の施策を一体化する方向を強めることにも障害者・家族の異論が上がっています。地域福祉のあり方を大きく変える法案を、当事者となる障害者らの声や、 自治体や地域からの意見を聞く機会も設けないまま、国会審議を急ぎ、法案採決に突き進んだことは乱暴きわまる暴挙です。

 住民に負担を強いる制度改悪をやめさせ、国に社会保障の増進義務を定めた憲法25条に基づく政治へ転換させることこそ必要です。

問題解決に逆行し、国際法違反のアメリカのシリア攻撃に抗議

 シリア北部での化学兵器による攻撃で、子どもをはじめ多数の死傷者が出たとの報道を受け、米トランプ政権は、シリア中部の空軍基地へ59発のミサイルを撃ち込みました。

 国連安保理の決議もない国際法違反の攻撃は、シリアの化学兵器問題の解決につながらず、同国の6年に及ぶ内戦の終結をさらに遠のかせる暴挙でしかありません。

 化学兵器の使用は誰によるものであれ、人道と国際法に反する許されない行為です。しかし一方的なシリア攻撃は、米国自身の国連での主張にも反します。

 米国はミサイル攻撃の前、英仏とともに国連安保理に提示した決議案の中で、シリアでの化学兵器使用の責任者の特定と処罰を 求め、化学兵器禁止機関(OPCW)と国連による、軍事施設を含むシリアでの化学兵器攻撃の調査を提起し、同国への軍事制裁には言及していませんでした。シリアは化学兵器禁止条約の加盟国であり、OPCWの調査が適切です。軍事攻撃はそれを妨げるものです。

 トランプ大統領は攻撃について、「化学兵器の拡散と使用を防ぎ、抑止することは、米国の国家安全保障上の死活的な利益」と正当化を図っています。ここには、シリアの人々がおかれた苦境の打開とは無縁の、国連憲章や国際法を無視した「米国第一」主義の危険が現れています。

 国連のグテレス事務総長は7日の声明で、シリア情勢の深刻化に懸念を示し、内戦には政治解決しか道はないと強調、すべて の当事者の取り組みが急務だと呼びかけました。

 安保理の同日の討論でも、ミサイル攻撃を支持する英仏の一方で、攻撃への批判と紛争激化への警告や、シリア内戦終結のため米国とロシアに率直な話し合いと協力を求める意見が相次ぎました。内戦の解決は「テロとのたたかいの前進にも不可欠」です。

 ところが安倍首相は、いち早くトランプ政権の「決意を支持する」と表明しました。米国追従の極みで、内戦悪化をもたらす側に日本政府を立たせるものです。

 重大なのは、「東アジアでも大量破壊兵器の脅威は深刻」と北朝鮮の核・ミサイル開発を念頭に、トランプ政権の行動を高く評価したことです。自民党幹部からも「北朝鮮にかなり強いメ ッセージになった」「一定の抑制効果になればいい」と歓迎の声が聞こえます。

 しかし北朝鮮問題での軍事解決は、シリア内戦についてと同様、ありえません。米トランプ政権は、「すべての選択肢がテーブルにある」と、北朝鮮への軍事力の行使も辞さない態度を見せていますが、北朝鮮は「われわれは断固たる先制攻撃で徹底的に粉砕する合法的な権利がある」と反発しています。軍事対軍事のエスカレートにより朝鮮半島で紛争が起きれば、おびただしい犠牲が出ることは避けられません。

 安倍政権は、地域と世界に深刻な事態をもたらす軍事攻撃を米国に促すような態度はやめるべきです。北朝鮮には、国際社会の結束した経済制裁の実施と、外交交渉で核・ミサイ ル開発の放棄を迫ることが重要であり、日本は、そうした方向に進むよう米国に働きかけることこそ必要です。

大河原町議選に向け日本共産党演説会

1491746550248.jpg
4月11日告示、16日投票の大河原町議選に向けて、8期目を目指す日本共産党の万波たか子さん必勝のために町内で演説会が開かれました。

万波さんを引き続き町政に送るために私と衆院比例東北ブロック候補のふなやま由美さんも森友学園の問題や安倍政権の暴走から政治を変える日本共産党の政策、そして万波さんとともに取り組んできた活動のエピソードなどについてお話しさせていただきました。

会場の大河原駅前・オーガのホールいっぱいの66名の方々が参加してくださいました。

万波さんは「私の活動の原点は『町民の心をわが心として』ということです。

7期28年、長い間、町議会議員として活動し、多くの町民のみなさんから生活のお悩み、切実な要望をお聞きしてきて感じることは、誰もが人生を精一杯、必死にがんばって生きていらっしゃることです。

人という字は助け合い、支えあって生きることを現しています。

私のモットーは住民のみなさんの苦難を軽減することです。

貧困と格差が広がるなかで、国の悪政から町民のみなさんの命とくらしを守るためにこれからも全力を尽くしてまいります」と力強く訴えました。

そして、公約として数々の町民のみなさんと取り組んできた活動によって町政を動かしてきたこと(子どもの医療費助成が18歳まで拡充・所得制限が撤廃。子どもの甲状腺検診。デマンドタクシー運行実現。紙おむつ支給対象者拡大。要介護認定者の障害者控除認定書の周知徹底。絵本のへやの復活への取り組み。など)、

さらに、福祉とくらしを守るための政策(高すぎる国保税の引き下げ。県内最低基準の要介護認定率の見直し。障がい者ショートステイ実現。学校給食費の負担軽減。住宅・店舗リフォーム助成制度創設。放射性廃棄物と一般ゴミ混焼に反対。保育所・児童クラブの待機児童解消。就学援助の入学準備金支給の前倒し。など)を町民のみなさんから出されているご意見やご要望なども紹介しながら、くわしく語りました。

農業協同組合新聞に志位委員長インタビュー掲載

 農業協同組合新聞は23日付電子版で、「日本農業と農協のあり方を考える」と題するシリーズ企画で、日本共産党の志位委員長へのインタビューを掲載しました。

 聞き手は、同新聞電子版のコラムで「“隠れ共産党”宣言」をして注目を集めた、岡山大学大学院教授の小松泰信さんです。

 志位氏は、世界経済の対立軸について問われ、「多国籍企業の利益を第一におく経済秩序をつくるのか。それとも各国の経済主権、食料主権、国民のくらしを相互に尊重する平等・互恵の貿易と投資のルールをつくるのか。これが対立軸だと思います」と強調しました。

 トランプ米政権の日本への影響について、軍事的役割の拡大と経済 的譲歩を迫られる危険性を語り、日本が「米国従属外交でいいのかが、いよいよ問われていると思います」と指摘。野党共闘についても「大事なところで前向きの一致をつくる努力をすすめたい」と意欲を語りました。

 志位氏は、農業を基幹産業と位置づけ、食料自給率を抜本的に引き上げていく党の農業再生プランを紹介。「一番のカギは農産物の価格保障と所得補償を組み合わせて、農家の皆さんが安心して再生産できるようにしていくことです」とのべました。

 農協について志位氏は、「共同販売、共同購入、信用・共済などの金融、医療まで含めて、農村にとってかけがえのないインフラ機能を担っている組織です。金融事業を切り離すなどの『農協解体』攻撃は、 とんでもないことです。協同組合の理念を守り、活(い)かしていくべきだと考えています」と明快に答えました。

 小松さんは、「インタビューを終えて」で「野党共闘をめざし、歴史的決断を下した志位氏から発せられた言葉は、満身創痍(そうい)のJAグループを勇気づける」とお話しくださいました。

 「誠実かつ慎重な発言から、政治家としての覚悟が伝わってきた。『日本共産党の農業再生プラン』は、多くの農業・JA関係者の腑に落ちる内容である。このプランを機軸とした“共協戦線”の構築が、風雲急を告げる政局の行方を決する」と結んでいます。

核兵器禁止条約交渉会議。核廃絶へ歴史的な前進

 ニューヨークで開催されていた、核兵器を禁止する法的拘束力ある協定を交渉する第1回の国連会議が3月31日終了し、核兵器禁止条約の実現に向けて、歴史的な一歩を踏み出しました。

 核保有国や日本などの「核の傘」に頼る国は禁止条約に反対し、会議をボイコットしました。しかし、参加した大多数の国は、これらの国に門戸を開きつつも、その参加を待つことなく、速やかに禁止条約をつくることで一致しました。

 ホワイト議長(コスタリカ)は「7月7日までに条約案の採択をめざす」と述べました。5月後半にも条約案が提示される見通しです。

 会議では、前文の内容、禁止する項目などについても、突っ込んだ 討議が行われました。引き続き議論と研究が必要な課題もありますが、人道的な見地から核兵器に「悪の烙印(らくいん)」を押して違法化する、使用、保有、開発などを広く禁止するという点では、大筋で一致したと言えます。核兵器禁止条約への流れはもはや後戻りできない確かなものとなっています。

 それだけに、唯一の被爆国でありながら交渉参加を拒否した日本政府には、失望と批判が集まりました。日本政府不在の一方で、被爆者や日本の市民の代表が多数参加し、禁止条約を支持したことは、諸国政府を励ましました。ホワイト議長も閉会の際に「核兵器の被害者がこの1週間、私たちとともに居てくれたことに感謝したい」と語りました。

 市民社会の活動が 会議を成功に導く大きな力になりました。これまでも、国連などで非政府組織の代表に、発言の機会が特別に与えられることはありました。

 しかし、今回は、市民社会が会議の正式構成員として参加し、発言を認められました。全ての議事に市民の代表が参加し条約の具体的内容にも意見や提案を述べました。文字通り市民社会と諸国政府の共同で条約作りが進められた点が画期的です。

 対人地雷禁止条約など、市民社会と政府が協力した例はあります。しかし、核兵器という、大国の世界戦略を左右する問題で、こうした動きが生まれたことは、国際政治の歴史でも特筆すべきことで、大きな変化を感じさせます。

 日本共産党も志位委員長が「被爆者 と日本国民の大多数はこの会議を支持している」と演説し、被爆国民の声を届けるとともに、38の国・機関に精力的に要請を行うなど会議の成功に貢献しました。

 諸国政府の市民社会への信頼は、草の根の活動に支えられています。キム国連軍縮担当上級代表は、「核保有国の参加を促すには、世界の世論の広がりが必要です。

 署名運動はその重要な一つ」と述べ、ホワイト議長も「6月の会議にはたくさんの署名を持って来てください」と語りました。市民の意思を結集する「ヒバクシャ国際署名」の発展が期待されます。

 禁止条約を実現し、全面廃絶へと前進する上で、核保有国や日本政府などに迫る運動が決定的です。6月の会議に合わせ、ニ ューヨークではトランプ政権に反対する米女性団体、平和運動が禁止条約をめざす大規模な行進を計画しています。

 国際世論を広げるためにも、思想や政治的立場の違いをこえた国民的な運動の前進がいっそう強く求められています。


PR

最新記事

カテゴリー

過去の記事

吉田ごうのプロフィール

記事を検索

RSSフィード

QRコード

qrcode